【ドラマ】神はサイコロを振らない、原作をいじった点が凶とならなければいいのですが

日テレ系水曜22時のドラマ、「神はサイコロを振らない」。
原作を読んで、ただ1点を除いてすごく気に入っていたので、期待していたドラマです。

宮崎発羽田行きの飛行機が10年前、忽然と姿を消した。
しかし、その飛行機が突然姿を現した。
東大で理論物理学を教えていた教授が、自らの理論に基づいて、10年後のある日に再び姿を表すと主張していた、その通りに。
10年後の現実に戸惑う、乗員・乗客たち。
そして、それを受け入れる側も。
しかし教授の理論では、彼らと機体は3日後には再び姿を消し、そして墜落してしまうのだという。
果たして、本当に3日後に消えてしまうのか?そしてそれまでの3日間、彼らと彼らのいない状況で10年間を過ごしてしまった周りの人たちはどう過ごすのか。

・・・というようなのが原作の内容。
いわゆるタイムスリップものです。
原作でただ一点気に入らなかったのは、彼らが姿を消したのは、マイクロブラックホールの通過に伴う量子理論だか何だかの影響だとかいう難しい理屈について、その詳しい内容に触れなかった・・・ということではなく、タイムスリップものにつきものの「タイムパラドックス」について、それが発生したのかしなかったのかということをあいまいにして終わらせたことです。
まぁ、そういうことよりも「愛と奇跡の物語」と銘打っているように、タイムスリップしたというか、消息不明になってしまったことによって運命が変わってしまった周りの人たちの過ごしてきた10年間を踏まえ、10年後になってしまった以上、理論で予測されているように残りは3日しかないということを戸惑いながらも彼らが受け止め、その3日間でやるべきだと思ったことを実行するしかないとする彼ら、そしてそれを手助けしようとする周りの人たちというようなことが話の中心のはずで、だから不満には目をつぶって、ストーリーを受け入れたのですが。

さて、今回のドラマ。
設定を大幅にいじっています。
「喰いタン」と同じくらい。

壱岐発長崎行きに変えてしまったのは、ロケの都合上やむをえないでしょうし、そうなった以上機体はYS-11からは変えざるを得ず、搭乗客を減らさなければならないのもわかります。
原作ではは、宮崎ー羽田みたいなそこそこの路線をなぜYS-11が飛んでいたのかという理由説明が、台風による悪天候、それにマイクロブラックホールという消失(事故)理由の伏線になっているとか、羽田への着陸の際の、滑走路の変化とかスポットの話とかが細かく書き込まれていて、それが原作を気に入った理由の一つだったのですが、まぁマニアしかいませんよね、それにこだわるのは。
さらに、10年間にこだわってしまったために、その空白に神戸・淡路大震災と某宗教のサリン関連の事件をはさんでいない以上、それに関連したストーリーが出てこなくなるのは、まぁ想像がつきます。

それから大きく変えた、肝心の登場人物。
まず、主人公が違います。というか、主人公みたいな人物は原作には登場しません。
あえて言うならば、いろんな登場人物のいろんなエピソードが入り混じって進んでいくので、その進行の整理役程度のポジションの人物はいますけど。
ドラマでは、航空会社の事故対策本部にいた女性が主人公になっています。

その影響があるのか、この主人公と仲がよかった友達がスチュワーデスとして搭乗していて、さらに副機長が主人公の恋人となっています。
原作では、そのスチュワーデスがとある機長に二股をかけられていたとか、その手のエピソードがあったのですが。

タイムパラドックスにこだわるのならば重要なポジションを占めるはずのエンジニア夫婦が、なんか小学校の教員夫婦になっちゃってるし、片方だけが搭乗してしまった漫才コンビは女性漫才コンビになっちゃって、チャイルドサポート(小学生の子どもが親と同乗せずに搭乗するサービス)の小学生の両親は設定の相関図には出てこない、偽名を使って搭乗していたMr.Xはいない模様で、彼が逃亡したかわりに駆け落ちカップルが逃亡するし、音楽家と高校生の天才テニスプレーヤーがくっついたらしい天才ピアニストの少女が登場。

もう、何でもアリって感じの変更です。


でも、主人公をこのように設定したことが、ドラマとしては期待感を持たせる効果をもたらしています。
第1話にこんなシーンがありました。
主人公が上司の命令に逆らって、乗客を機内から外に出す決定をします。そして、扉が開けられ、機内からは最初にスチュワーデスが外に姿を現します。
それを、離れたところから見つめる主人公。
距離がありますから言葉を交わすことはできませんが、しかし親友同士だった二人は、心の中ではテレパシーのように会話が通じ合っています。

しかし主人公からすれば、スチュワーデスの彼女は、どうしても10年前の自分がそこに重ねて見えてしまいます。まだまだ仕事にも恋愛にも前向きだった10年前のあの頃が。
だから、その後、こんな内容のセリフを口にします。

「28から38までの10年間は、18から28までの10年間とはぜんぜん違う」

これは同じく30代後半であるワタクシには、「痛い」実感として納得できるのですが、それが、まだ結婚していない(しなかった)女性ともなればより大きいのではないでしょうか。
この「10年間」という時間の長さが、ストーリーの重要なキーだと思っています。




・・・そんなことを、ドラマを見ながら、しみじみと感じてしまいました。

さらに、ドラマのHPのトップページにある、「10年前の私からの質問」というコピーの続きを見て、再び、しみじみ。
同年代の人にとっては、すごく「身につまされる」質問ではないでしょうか。





ってな感じで、出演陣も演技力に定評があるメンバーを揃えていますし、設定の変更なんか気にしないもんね的に安心して見ることができました。

基本的に、これからも見続けたいです。





基本的に、と断わったのは、エンディングが気になったからです。
この402便の10年後の出現を、教授の発言を紹介して、「みんな集まれ」とか煽っていたHPがありまして、そこで「9日後に消失!」ということが書かれてあったのです。

3日から9日への延長ということは、多分連続ドラマの話数にあわせたのでしょうけど、中途半端に長くすることで緊張感がそがれませんか?
3日間というのが短すぎて覚悟を決めざるを得ず、乗客・乗員達の、そして周りの一生懸命さにつながったように思うのですが、それは大丈夫でしょうか?

それから、教授は「消失」のことを言っていなかったのでしょうか?

そしたら、タイムパラドックスのことはどう扱っていくつもりなんでしょうか?




一抹の不安が残ります。
まぁ、取り越し苦労であることを期待しますが。


神はサイコロを振らない

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